上手な運用で老後のゆとりある生活の実現へ

上手な運用で老後のゆとりある生活の実現へ

最近「年金2000万円不足問題」が世間を賑わせていますが、みなさんはどう感じられましたか?

騒動の発端となった金融審議会「市場ワーキンググループ報告書」のフレームは、「将来の長寿化と公的年金抑制を踏まえると、公的年金だけでは2000万円不足する」とするものです。

報告書では老後に備えた自助努力を促しており、「おおむね妥当な内容」とする識者も大勢います。

つまり私たちは、老後に備えて資産形成を進めていかなければならないのです。そして運用原資の中でもウエイトが大きいのが、退職金です。

今回の記事では、ゆとりある老後実現に向け、退職金の運用で失敗しないための投資ノウハウについて解説します。

みんながあなたの退職金を狙っている

みんながあなたの退職金を狙っている

一般的なビジネスパーソンにとって、100万円は大金でしょう。

毎月の給料は大企業に勤める40代後半でも平均45万円、半期ごとのボーナスも85万円前後といったところです。

プラチナとかブラックとかではない普通のクレジットカードなら、限度額はショッピングで100万円以下、キャッシングで50万円といったところです。

500万円の札束は厚さ5cm・重量500gですが、現物を見たことがある人はそれほど多くないでしょう。

そんな会社人生で、数千万円の金額を手にするのが、会社人生が終焉するとき、つまり定年退職です。

そんな大金を、証券会社や銀行が放っておくはずはありません。

事務系大卒平均2500万円・大手企業は5000万円も

最近はどこの企業も成果と報酬が連動する成果給制度への傾斜を強めており、業績と直接関係の薄い退職金は抑制方向での見直しがすすんでいます。

それでも、支給額はまだまだ充分に高額。

厚生労働省の退職金支給実態調査によると、大卒(事務・管理・技術系)で勤続年数35年以上の場合で平均支給額は2500万円近くに達します。

厚生労働省の退職金支給実態調査
参照:平成30年就労条件総合調査「退職給付(一時金・年金)の支給実態」

支給額は企業規模に応じて増え、従業員1000人以上の企業(年金制度採用型)で2700万円を超えます。

さらに各業種のトップ企業になってくると、5000万円クラスも夢ではありません。メガバンクの支店長クラスなら5000万円超え、大手生保の課長クラスで6000万円、大手出版社なら一般職でも6500万円に達します。

退職すると銀行支店長がやってくる

「近くを外回りしてたものですから」退職してしばらくたち、家で時間を持て余す日々を過ごしているそんなときに、銀行の支店長が若い部下を連れ立ってやってきます。

「本日はご挨拶に伺いました」支店長は言葉巧みに現役時代の仕事ぶりを聞きたがり、「それはご苦労されましたね」「いやいや私にはまねできません」と持ち上げてきます。現役を退き、一抹の哀愁を感じている身にこれは効きます。

すっかり上機嫌になったところで、支店長は用事があると席を外します。「少し部下の話を聞いてやってくれませんか」と言い残して…

よく考えてみれば、多忙を極める銀行の支店長が定年退職者の昔話を聞きにやってくるわけもないのです。

高金利定期預金は投資信託の疑似餌

銀行の勧めてくるのが、「ご退職者運用特別プラン」「退職者専用マネープラン」「ご退職者専用商品」といったネーミングの金融商品です。

こうした定年退職者専用の金融商品は、どれもの高金利(6-7%)の定期預金を用意しているのが特徴です。この超低金利時代に、悪い話でないように思えます。

中には住まいなどを限定して、より特別感を醸しだした商品もあります。

ただし、これにはカラクリがあります。定期預金といえば3-5年物を連想しがちですが、この退職者向け定期預金の預入期間は3か月程度と非常に短いのです。

それでも、「1000万円を3か月預けておけば15万円以上転がり込む」と皮算用しがちですが、世の中甘くはありません。

優遇金利の交換条件として、投資信託に加入しなければならないのです。

銀行によって購入金額は若干異なりますが、預金預入額と同額という商品が多いようです。銀行が用意する投信はどれも販売手数料が2-3%と高めの設定です。

1000万円の投信に加入すれば販売手数料で20万円以上かかり、それだけで金利分は吹き飛びます。

経済誌が実施したアンケートでも、この退職者専用プランに加入した定年退職者のうち、実に4割が不満を感じていると答えています。

結局は、銀行の口車に乗って老後の資産が形成できるほど、世の中は甘くないということです。

失敗しない退職金運用の心得

失敗しない退職金運用の心得

ではここで、退職金運用に当たって大切なポイントを3つ紹介します。

まずは自分の頭で考える

退職金の運用を人任せにしても、ロクなことにはなりません。

確かに資産運用のプロフェッショナルからアドバイスを受けるのは有益ですが、鵜呑みにするのではなく、自分なりに咀嚼するようにしましょう。

運用するのは助言者の資産ではなく、あくまで「あなた」の資産なのですから、最後の判断は「あなた自身」が下すのです。

もちろん投資は元本保証ではないので、最初は判断ミスも起こるでしょう。

それでも、失敗から学ぶことは少なくありません。トライアンドエラーを繰り返しているうちに、徐々に投資スキルは上がっていくのです。

投資を楽しもう

みなさんにぜひ知っていただきたいこと、それは投資の楽しさです。

現役としてバリバリ働いていたころはアンテナを高くして情報収集していたようなビジネスマンでも、第一線を退いたとたん世間に疎くなりがちです。

経済誌や新聞にも目を通さなくなり、社会への関心も薄くなりがちです。

投資は、気持ちを前に向かせます。自然と景気動向・政治情勢・企業業績に興味が湧き、世間との距離も近く感じます。

ご夫婦で投資を楽しむのも、円満の秘訣になりますよ。

コストをかけず中長期視点で運用する

資産運用で、例えば証券会社から投資結果報告書(4半期ベース)が送られてきたとき、どうしてもいくら利益が出たかばかりに目が向きがちです。

資産運用で利益以上に大切なのが、コストです。

毎年20%も利益が出るのなら、コストも気にならないでしょう。では、利回りが3%ならどうでしょうか?

管理手数料などの運用コストが2%かかると、コスト控除後の実質利回りは1/3の1%に下がってしまいます。

低コストの金融商品が必ずオススメというわけではありませんが、運用コストが利益に見合っているのかどうかは丹念に見極めるのが得策です。

おすすめはヘッジファンド

おすすめはヘッジファンド

「1000万円を超える退職金の運用を考えている」そんな皆さんに是非お勧めしたいのが、ヘッジファンドです。

一方で、「ヘッジファンドって名前は聞いたことがある」「興味はあるけど実態がよくわからない」と考える方も多いでしょう。

株式投資や投資信託なら、名の通った銀行や証券会社のCMが盛んに流れてますし、公式HPにアクセスすれば簡単に申し込めます。

では、そんな謎に包まれたヘッジファンドが投資先として魅力的なのでしょうか。

絶対収益産みの親は元レジスタンス活動家

ヘッジファンド最大の魅力は、「絶対収益」です。

株式相場は、上り基調の時もある一方で長期的に低迷するときも珍しくありません。

そして一般的な公募投資信託は株式相場をベンチマークとし、これを上回る結果を目指します。

公募投資信託は株式相場をベンチマーク

つまり株式相場がマイナス20%なら、マイナス10%の運用成績でも目標をクリアーしたことになります。いわゆる「相対収益」です。

一方でヘッジファンドの場合、相場の好不調に係わらず絶えず安定的な収益を目指します。

相場の好不調に係わらず絶えず安定的な収益

安定的な運用を重視する企業年金も、絶対収益への関心を集めています。日系大手企業も、退職年金のポートフォリオを見直しヘッジファンドの組成比率を高めているところが増えています。

絶対収益をめざす運用手法は、1948年にアルフレッド・ジョーンズというアメリカ人によって編み出されました。

ジョーンズはモルスタやGSといった名門投資銀行で経験を積んだわけでもなく、ビジネススクールで学んだわけでもありません。ハーバード卒業後は貨物船で世界をさすらい、反ナチスレジスタンス活動に身を投じ、アーネスト・ヘミングウェイと盃を交わした変わり者です。

当時は「まがいもの」と批判を浴びた運用手法ですが、今や数兆ドルといわれる資産がヘッジファンドで運用されています。「やがては失敗する」と嘲笑していた著名経済学者も、ヘッジファンドの軍門に下り、自らヘッジファンドを運用する大学も珍しくありません。

ショートポジション・レバレッジ・パートナーシップ

ではなぜ、ヘッジファンドは絶対収益を実現できるのでしょうか。その秘密は、3本の柱にあります。

ショート・ポジション

今でこそオプション・スワップなどさまざまなデリバティブを駆使し、株式・通貨・債券・コモディティ・不動産さらにはインフラにまでオルタナティブに投資を拡げるヘッジファンドですが、その原点はロング・ショート戦略にあります。

資本市場は常に非効率な存在です。相場は急激に過熱する一方で、やがてその「歪み」は解消され、時にその反動として急激な冷え込みを引き起こします。

アルフレッド・ジョーンズはこの歪みを見つけ出し、割高銘柄のショートポジションを巧みに採ることで巨額の利益を稼ぎ出しました。

レバレッジ

レバレッジとは、早い話が借金を元手に株などの金融商品を売り買いする手法です。大恐慌前から個人投資家が使っていた手法を、AWジョーンズはヘッジファンドに応用しました。

一般的にぼろ儲けのイメージが強いヘッジファンドですが、ヘッジ取引の目的はあくまでリスクのヘッジであり、リターンそのものは控えめです。

そして小さい利益を増幅する役割を果たすのが、レバレッジです。

5%の利益率でも3倍のレバレッジをかければ利益率は5%×(1+3)倍=20%まで増幅します。

レバレッジによってヘッジファンドはより少ない資金で巨額の取引が可能になり利益を増やすことができたのです。

レバレッジ比率は、ファンドの採用する戦略によっても変わってきます。例えば僅かな価格の歪みで儲けるアービトラージの場合は、レバレッジ比率が数10倍に達することも珍しくありません

パートナーシップ制

アルフレッドジョーンズがファンドを立ち上げた当時、投資信託の収益源は、取引額や資産残高に応じてかかる手数料でした。

運用成績とは直接結びつかず、資産運用の仕事は退屈極まりない者だったとされています。

ジョーンズはこの仕組みを根本的に作り変えます。

収益源を運用成績に応じて変動する成果報酬中心に置き、さらに部下の報酬も成果連動型にシフトさせました。

この報酬制度のもと、部下たちは目の色を変えてマーケット情報を集め、ライバルを出し抜きます。彼らの働きは、やがてジョーンズのファンドに驚異的な成果をもたらしました。

ジョーンズの編み出した成果報酬制は、今もヘッジファンドの報酬体系の根幹をなしています。

さらに多くのヘッジファンドはパートナーシップ制(リミテッドパートナーと呼ばれる出資者から資金を募りファンドを組成する仕組み)のもと、オーナー自らがジェネラルパートナーとして個人資産をファンドに出資しています。

ファンドが損を出せば、個人資産もダメージを受けるわけですからオーナーも必死です。

ちなみに多くの機関投資家は、ヘッジファンドへの出資検討にあたり、ジェネラルパートナーの出資割合を重要な判断基準の1つに置いています。

さまざまなリスクを収益機会とする貪欲さ

一般的な機関投資家や投資銀行にとって、経済危機や通貨危機といったリスクはあくまで回避すべき対象です。

一方、絶対収益をめざすヘッジファンドにとって、リスクはまたとないビジネスチャンスです。

このような背景から、ヘッジファンドは絶対収益を実現しているのです。

これは失敗!おすすめできない投資商品

これは失敗!おすすめできない投資商品

では次に、退職金の運営を行う上でおすすめできない投資商品について見ていきましょう。

市場が不透明で保有・取引コストが高い「不動産投資」

東京証券取引所・ジャスダック・東証マザーズといった市場が整備されている株式・投資信託と違って、不動産は相対取引が基本です。

流通プロセスや価格形成要因が不透明で、いわゆる情報の非対称性(業者と個人間がつかんでいる情報の格差)も顕著。

売買取引も売主募集・内見・条件交渉とプロセスが数次にわたり、登記など法的手続きも絡んで複雑です。当然スマホでワンクリックというわけにはいかず、仲介業者に頼り切る以外にすべはありません。

現物資産の特徴として、固定資産税・不動産取得税などの税金、仲介手数料・登記費用・建物・敷地のメンテナンスコストなど、取引・保有のためのコストはけた違いにかかります。

使用目的ではなく投資目的で不動産を買うのは、賢い選択ではなさそうです。

「株式投資」は少額からが基本

資産運用としての株式投資は、決して悪いことではありません。

最近は個別株式の最低購入金額も銘柄によっては10万円前後まで下がっており、100万円前後の資金を元手に投資の分散も可能です。

売買を繰り返しながらファンダメンタルズやテクニカルも徐々に学ぶ過程で、投資の腕も磨かれていきます。投資の勉強として、株式はもってこいの素材です。

ただし、最初から1千万円も株式に投資するのはあまりにも無謀です。株式投資は、あくまで少額からが基本です。

和製アクティブファンドでホクホクなのは銀行だけ

公募投信は、もともとは優れた思想に基づいて開発されており、決して悪い金融商品ではありません。

分散投資ができる点、少額から積み立てられる点は運用資産として大きなメリットです。

ただし、銀行などが販売している投資信託に関しては、あまり評価できません。

最大の理由は、そのコスト。

低コストのインデックスファンドが主体のアメリカと異なり、日本の場合は割高なアクティブファンドが中心です。なおかつ同じアクティブファンドでも、日米で比較すると日本の方が手数料が高めなのです。

金融庁のポートによると、投信の販売手数料は2%強で高止まりしています。さらに年間の手数料である信託報酬も1.5%を超えます。

それでもリターンが出ればまだましですが、過去10年の平均リターンは1.26%と日経インデックスの2.76%を下回っています。

販売サイドからの要求によるテーマ型投信の販売などがリターンを悪化させているとされており、金融庁は顧客本位の投信開発・設計を銀行・証券会社に求めています。

和製ヘッジファンドを選ぼう

和製ヘッジファンドを選ぼう

最近では、日本のヘッジファンドも盛り上がりを見せています。

そこで最後に、日本のヘッジファンドについて見ていきます。

最近はメディアにも取り上げられる日本勢

運用総資産でもネームバリューでも欧米勢のプレゼンスが圧倒的なヘッジファンドですが、日本発ファンドも育ちつつあります。

最近では、大手証券会社や外資系投資銀行でトレードやアセットマネジメントの経験を経てファンドを立ち上げるケースも増えています。

配当還元増額や政策保有株式売却を株主提案するなど積極的な活動も展開し、メディアにも取り上げられました。

そんな国内のヘッジファンドをランキングにした記事もありますので興味がある方は是非チェックしてみてくださいね。