ビットコイン乱高下の黒幕は?

ビットコイン乱高下の黒幕は?

「仮想通貨で大儲けした」
「預けていたビットコインが流出した」

もしかするとあなた自身がいずれかの出来事に巻き込まれたかもしれません。

社会人3年目、自分の甥っ子もその1人です。数10万円の含み損を出して、今は上がるのをじっと待っています。「いい社会勉強だった」そうですが…。

数々の話題をふりまき今や日本中にその名が知れ渡った「仮想通貨」、最近はクリプト系と呼ばれるヘッジファンドの進出が注目を集めています。

市場関係者の間からは、相場の波乱を増幅させているとの声も聞こえてきますが本当でしょうか。

今回の記事では、仮想通貨とは何かについて触れたうえで、ヘッジファンドや個人投資家など仮想通貨投資を巡る動向について解説します。

そもそも仮想通貨とは

そもそも仮想通貨とは

ではまず仮想通貨とはそもそも何なのか。

過去にあった事例をもとに解説していきます。

1000倍以上に価格高騰した始まりの仮想通貨「ビットコイン」

仮想通貨が世間の注目を浴び始めたのがおよそ10年前、「サトシ・ナカモト」の名による論文が話題を集め、翌年には論文の構想を土台に仮想通貨の火付け役「ビットコイン」が発行されました。

ビットコインのチャート
引用:JPBITCOIN.com

最初の取引は、ピザ2枚を1万ビットコイン(BTC)で購入したことに始まります。

その後ビットコイン相場は乱高下を繰り返しながらも上昇トレンドをキープ、2017年には1BTC=200万円を突破しました。2013年初めには1BTC=2000円ですから、1000倍以上に高騰した計算です。

投機対象として人気が沸騰したビットコインですが、2018年には一転して30万円にまで下落しました。

芸能人も巻き込まれた流出事件

ビットコインはメディアに数々のニュースを提供します。

仮想通貨取引所マウントゴックスのハッキング・盗難事件(2013年)、ビットコインキャッシュの分裂騒動(2017年)、中国金融当局による仮想通貨取引の禁止(2018年)など、ビットコインにまつわる事件は枚挙にいとまがありません。

流出事件には有名人が絡んでいたケースも多く、一時期は朝のワイドショーを賑わしました。

一時期は人気者の出川哲郎さんがするCMで知名度を集めていた国内大手取引所のコインチェック、取り扱っていた仮想通貨NEMの流出580億を発表したのが2018年の1月です。

流出額はマウントゴックスが2014年に起こした470億円の記録を塗り替えました。

この流出事件では、「ラララライ」で一時期人気を呼んだ藤崎マーケットのトキさん、サバンナの八木さんなどが損害を被りました。

トキさんは流出で全財産を一時失い、その後に返金を受けたものの投資そのものでは損失を出したようです。

トキさんが仮想通貨投資をはじめたのは流出事件の数か月前、最初は2倍、3倍と値が上がり、あっという間にのめりこんでいったとか。流出直後は大きなショックを受け、一睡もできない状態が続いたようです。

マウントゴックス流出事件の時も、ロンドンブーツの田村淳さんが巻き込まれました。

流出事件ではありませんが、「キングオブコント」で優勝したかまいたちの山内健司さんが、優勝賞金を仮想通貨につぎこんで損失を出しています。

事業者の破綻にも要注意

流出事件ほど悪質ではありませんが、事業者が破綻するケースも少なくありません。

とくに新規事業者のICO(イニシャル・コイン・オファリング:新規通貨発行)には要注意です。

ICOはスタートアップ企業によるIPO(新規株式公開)と似ており、事業者がトークンと呼ばれる仮想通貨(デジタル権利証)を発行、資金を調達する手法です。

IPOと違って全世界から資金を集めることができること、法規制が緩く発行が容易なことから、ICOを発行する事業者は増加の一途をたどり、2018年の調達額は210億ドルに達しました。

ICOを実施する事業者は、多種多様。

日本でも、インバウンド観光客向けに手荷物預かりビジネスを展開する「手ぶら観光協会」がICOで通貨Ninja Coinを発行し、話題を呼びました。

トークンが取引所に上場されれば何倍にも値上がりすることもあり、市場参加者の投機熱も一時期急速に高まりました。

ところが2018年末にかけて投資熱が一挙に収縮、トークンの多くは値を下げ、投資家の9割が損失を被ったとされています。

投資熱冷却の背景には、金融当局のスタンスも影響したようです。

アメリカSEC(証券取引等)も最初は成り行きを静観していましたが、市場が過熱してくると事業者に登録を義務付けるなど、監視の目を光らせるようになります。

投資家保護の法整備も、今後の課題です。トークンに付与されるのは事業者提供のサービスを受ける権利ぐらいで、IPOの株式と違って議決権もなく発行体の経営にはコミットできません。

事業者が破綻したときに、残余財産を受け取ることもできません。

情報開示もルールもあいまいです。ベンチャーキャピタルから出資を受ける時には、事業の成長性やガバナンスを厳しくチェックされますが、それもありません。

規制の緩さにつけ込んで、事業者の中には詐欺まがいの輩も混じっています。

SECが詐欺として告発した事案では、架空の不動産・貴金属を担保として提示していたようなケースもありました。

国内でも資本金が数100万円程度の場合、資金だけを集めてそのまま飛んでしまう事業者も多いようです。では、悪質事業者をどのように見抜けばよいのでしょうか。

資本金以外にも、インターン生や新卒社員募集を行っていない事業者は避けた方が無難です。

事業者の所在地も、大事なチェックポイントです。所在地をストリートビューで検索したら場末のスナックが出てきたなんて笑い話もあるぐらいです。

「コムロコイン」などネーミングに芸能人の名前を使ったり、芸能人をメインメンバーとして御輿に担いだりしている事業者も要注意です。

某イケメン俳優・歌手がプロデュースメンバーとして参加した「スピンドル」は、2018年に220億円のICOを実施しましたが、価格はその後1/70まで急落し多くの投資家が損失を被りました。

当の俳優には一時資金決済法や税法など法令違反の嫌疑が噂されましたが、その後立ち消えとなったようで、最近は「芸能人格付けチェック」でも大活躍、「とんで埼玉」など映画のヒット作も飛ばしています。

流出事件・事業者の破綻・バブル的な乱高下・損を出した芸能人…ネガティブなニュースばかりが目立ちがちですが、「インチキ臭い投機商品」とみなしてしまうと仮想通貨の本質を見誤ります。

実通貨に比べさまざまなメリット!仮想通貨の将来性

実通貨に比べさまざまなメリット!仮想通貨の将来性<

円・ドル・ポンドなどの法定通貨は、金銭債務の弁済に用いることが法律により強制されています。

同時に、銀行法や金融商品取引法などの規制ルール、金融業界の監督・指導、中央銀行による通貨供給コントロールなど複雑に張り巡らされた金融システムにより信頼性が担保され流通が支えられているのです。

仮想通貨はこうした法定通貨とは異なり、国家によりその価値が保証されているわけではなく、厳しい規制とも無縁です。

自由なゆえの危うさが課題であるものの、仮想通貨はさまざまなメリットを兼ね備えており、将来性が期待されています。

同時に、硬貨や紙幣のように形もありません。ただし仮想通貨も通貨の一種であり、買い物や飲食などの商取引に使うことも可能です。

実際にビットコインも、ビッグカメラ・聘珍楼・メガネスーパーといった有名店をはじめ、全国の飲食店などでも使用可能です。

それだけではなく、仮想通貨は法定通貨にはないさまざまなメリットを兼ね備えています。

送金コストの低さ

銀行は、銀行法と資金決済法により、預貯金の取り扱いと送金・振込といった業務を独占的に認められています。

その代償として銀行は、万全な資金決済・流通を担保するために、金融インフラを整備しなければなりません。

  • 勘定系を軸とする自前のオンラインシステム、銀行間取引を運営する全銀システム
  • 全国に展開する支店やATMなどの施設
  • 銀行業務をオペレーションする要員

これらの維持・運営には膨大なコストがかかり、一部は送金手数料に上乗せされます。

とくに海外送金の場合、1回あたりの手数料はWEB経由でも3-4000円、店頭だと6-7000円かかります。

その他に円/ドルで通貨交換する場合、為替手数料がかかります。1万ドルに対し、1万円の為替手数料ですからばかになりません。

仮想通貨の場合、オープンなネット上で取引されるため取引コストが大幅に引き下げられます。世界共通で利用可能な仮想通貨は、通貨交換も為替手数料も要りません。

ちなみに同じ種類の仮想通貨でも、取扱業者によって手数料は異なります。例えばビットコインなら、手数料最安値はGMOコイン(無料)です。

即時性

最近は銀行のサービスレベルも向上し、ネットバンクなら24時間送金申し込みを受け付けるところも出てきました。

それでも海外に送金する場合、4-6日はかかるとされています。送金元と送金先銀行との時差の問題、複数の銀行介在、マネーロンダリングチェック等も絡んでどうしても日数を要するのです。

手間暇も半端ではありません。スイフトコードをはじめ送金先情報の事前入手も必携、アルファベットで間違いなく入力しないとはじかれます。

一方、仮想通貨はインターネットを介した取引であり、はるかに短い時間で送金が可能です。

仮想通貨の種類やトランザクションの混雑具合によって多少のばらつきはありますが、それでも送金にかかる時間は数10分とされています。

口座レス

みなさんは、電気代や水道料金をどうやって支払っていますか?口座の引き落としか、あるいはコンビニ窓口振込のいずれかでしょう。

世界は、そんな便利な国ばかりではありません。アフリカや南アジアでは、公共料金を現金で支払うために長い行列に並ばなければならない、あるいは不正請求が横行している、といった地域が珍しくありません。

仮想通貨には、こうした社会的課題の解決が期待されています。仮想通貨を利用すれば公共料金の支払いも簡単で、銀行口座を持っていない人はその不利益から解放されます。

このように仮想通貨はさまざまな面で法定通貨より優れており、それだけに何かのきっかけで法定通貨に取って代わる可能性を秘めているのです。

ブロックチェーンが信用を支える

ブロックチェーンが信用を支える

法定通貨は、金融当局(金融庁)や中央銀行によるコントロール、セキュリティーが極めて高度なオンラインシステムにより、取引の信頼性が担保されています。

仮想通貨取り引きの信頼性を担保しているのが、ブロックチェーンと呼ばれる一種のデータベースです。

リレーショナルやアクセスなど従来のデータベースと異なるのは、取引データの分散配置と、中身の公開です。

ブロックチェーンでは、取引情報(トランザクション)が市場参加者全員へ分散配置されます。

なおかつ、トランザクションにはハッシュ値が付されているので改ざんが事実上不可能になっています。

そしてトランザクションは、市場参加者全員に公開されます。

「秘密にしておいた方が改ざんや盗難を防止できる」と考えがちですが、ブロックチェーンは180度異なり、「衆人が監視している中で不正はできない」との発想に立っています。

ハッシュ値を付与する作業はだれでも競争で参加でき、付与に成功した参加者は、仮想通貨の報酬を得ることができます。

これが「マイニング」であり、参加者は「マイナー」と呼ばれます。

ただし、ブロックチェーンのセキュリティーがいくら高くても、取引所の運営がいい加減なら不正は起こり得ます。

過去に起きた不正流出も、法整備・規制の不十分さ、取引所のガバナンス・体制に原因があるようです。

去年起こった流出事件でも、取引所のスタッフが不足していたり、金融庁が定めたガイドラインを守らずに運営していた事実が明るみになっています。

即時大量のトランザクション処理も、ブロックチェーンは苦手です。

マイニングには多くのマイナーがかかわっているため、10分ほどは時間がかかります。1つのウオレットに複数のトランザクションが集中した場合、トランザクションが「詰まる」ケースもあるのです。

仮想通貨のより一層の普及に向けては、こうした課題の早期解決が望まれます。

仮想通貨投資の展望

仮想通貨投資の展望

セキュリティー面でのリスク解消は当然としても、市場価格の不安定性・投機性が払しょくされない限り、安心して仮想通貨には投資できません。

2017年時点の市場参加者は350万人で、FX個人投資家の500万人に迫る勢いです。

2017年に仮想通貨へ流れ込んだお金は、国内だけで70兆円に達します。1年前の70倍に相当する金額です。

一方で、現状の仮想通貨市場は実需面での取引がほとんどなく、ほぼ100%が投機的取引です。

法定通貨と違って、仮想通貨を貨幣として使える場所は、現時点ではほとんどありません。こうした面で厚みを増すことが、仮想通貨市場の未来を左右するともいえます。

そうした意味で、起爆剤として期待されているのが「リブラ」です。

注目される発行体は、24億人ものユーザー数を誇るSNSトップのフェイスブックです。そのインパクトは今までの仮想通貨と比較になりません。

いままで進出を躊躇してきた大企業も関心を示しており、クレジット大手のビザ・マスター、ウーバーテクノロジー、ペイパルや投資ファンドなどが参加を表明しています。

金融当局が強い警戒心をあらわにしていますが、これは、裏を返せばリブラの発展性を恐れているからです。

リブラは、法定通貨に取って代わり、商取引や決済手段で広く使われる可能性が高いのです。

実需取引のウエイトが高まれば、資産運用対象として仮想通貨の価値も高まります。

ヘッジファンドが仮想通貨に投資し始めたのもこうした将来性を見越してのことでしょうが、やむにやまれぬ事情もあるようです。

ファンド最後のオアシス「ビットコイン」

ファンド最後のオアシス「ビットコイン」

では実際にビットコインとヘッジファンドはどのような関係性があるのでしょうか?

手数料は低下し店じまいする名門ファンドも

「成功報酬はリターンの2割、管理手数料は残高の2%」いわゆる2:20の料金体系を、ヘッジファンドはずっと維持し続けてきました。

ところが最近は、顧客である機関投資家からのプレッシャーも強く、ディスカウントを余儀なくされています。

2:20は崩れ去り、2019年に入って成功報酬は平均14.6%まで低下、管理手数料も1.2%にまで落ちみました。成功報酬が2割を切るファンドの割合は、4割にまで高まっています。

運用自体をやめてしまうファンドも、少なくありません。リーマンショックで名を馳せたジョン・ポールソンも外部資金を返還、一族の資金のみを運用するファミリーオフィスに衣替えするようです。

ピーク時には380ドルに達したポールソンの運用総資産も、最近は資金引き揚げが相次ぎ、100億ドルを切るところまで落ち込んでいたのです。

2016年には閉鎖ファンドが設立ファンドを上回り、ずっと増え続けてきたヘッジファンドの数は減少に転じました。

こうした苦境の背景にあるのが、運用環境の悪化です。

株式も債券もファンドの出番なし

ボラティリティとは、株価を始めとする金融商品価格の変動率を意味し、ヘッジファンドは、市場におけるボラティリティリスクをヘッジして利益を稼いでいます。

リーマン倒産前のNY市場のように、ボラティリティが高い市場環境ほどヘッジファンドが活躍できるのです。

リーマンショック後、欧米日の金融当局は金融緩和に舵を切り、さらにはETF(上場投資信託)やリートといったリスク資産を買い上げてきました。

この結果、NYダウ・ナスダック・日経平均などの主要株式相場は毎年緩慢な上昇を続け、極端な乱高下の機会は極端に減りました。

ちなみにリーマンショック時には90まで上昇した日経平均ボラティリティ指数ですが、ここ1年は30超えも1回しかありません。

このような「凪」の相場でヘッジファンドの出番は少なく、収益獲得機会を見いだせていないのです。

仮想通貨に勝負をかけるヘッジファンド

もちろん、独自の運用路線と鋭い嗅覚で収益を維持するファンドも少なくありません。

ジュリアン・ロバートソンの愛弟子チェース・コールマンが率いるタイガー・グローバルは、伝統的なロング・ショート戦略で2018年も14%の収益を確保しました。

グローバルマクロのブレバン・ハワードも、欧州共同体(EC)内の国家間格差に目を付け、ドイツ・イタリアの金利スプレッドで12%の収益を稼ぎました。

そんなヘッジファンドにとって、投資家保護ルールも未整備で取引規模も小さく乱高下を起こしやすい仮想通貨は、またとない「最後のオアシス」です。

「台風の目」クリプト系ファンドと注目の運用成績

ヘッジファンド対個人投資家

仮想通貨の取り引きを取り扱うファンドとして、台風の目となりつつあるのがクリプト系です。

1口にクリプトファンドといってもその運用手法は、トレード・アービトラージ・トークン投資のリキッド系・ファンドオブファンズ・インデックス系・クオンツ(計量分析を軸とする投資法)などさまざまです。

クリプト系ヘッジファンドが話題となり始めたのは2017年、この年だけで90件ものファンドが立ち上げられました(累計では120件)。

運用資産総額は30億ドルに達しており、将来的には80億ドルまで伸びるとされています。

仮想通貨市場そのものがそれほど大きくなく、まだまだ運用資産総額も1億ドル未満など小粒のファンドが乱立しているのが現状です。

それでも、一部ファンドは刮目すべき運用成績を叩き出だしています。その1つパンテナ・キャピタルは、100倍に達するリターンで話題を呼びました。

ブロックチェーン関連に集中投資するポリチェーンキャピタルも、高リターン獲得を運用ポリシーに掲げ、新通貨の発行やICOへ積極的に参加しています。

仮想通貨でも空売りも仕掛ける

クリプト系ヘッジファンドは、もちろん現物に投資したり、長期運用を重視する戦略を採ることもあります。

一方で、お家芸の空売りを積極的に仕掛けてくるケースも少なくありません。

今年になってからビットコイン価格は10000ドルまで持ち直しましたが、その裏でヘッジファンドの売り持ち(ショートポジション)積み上げがさまざまな憶測を呼びました。

この売り持ちが「値下がりをねらった空売り」と読む筋もあれば、現物買いに伴うヘッジの可能性も少なくありません。ヘッジファンドの思惑を読むのは、簡単ではないのです。

ヘッジファンドによるアルゴリズム取引も、波乱要因です。

アルゴリズムを使うヘッジファンドは顕著に増えており、ここ1年で17ファンドがローンチしています。これは、同時期に立ち上がったファンドの4割に相当します。

アルゴリズム取引の増加は、ボラティリティーを高めるとされています。

4月には、たった1時間でビットコインが2割もはね上がるというちょっとした事件がありましたが、これもアルゴ系ファンドによる自動取引が引き起こしたとされています。

仮想通貨へでの資産運用、とくに短期投資に当たってはこうしたヘッジファンドの動きをたえずフォローしなければなりません。

長い目で見れば必ず価値が出る?見抜いているヘッジファンド

長い目で見れば必ず価値が出る?見抜いているヘッジファンド

現在の資産運用市場で、株・債券などの市場が不安定なとき、投資家が資金を退避するのが「金」です。

ニューヨーク金先物の1トロイオンス当たり価格は、この1年で1200ドルから1500ドルに上昇しましたが、これもリスク回避資金が流れ込んできたことによるものです。

「有事の金」ともされ、世界で紛争や軍事的緊張が起こっても金価格は上昇しがちです。

仮想通貨は、そんな金と同じ役割を果たすと期待されています。

株・債券のように利益を産まない一方で、実需に基づく資産価値に支えられている点で金と仮想通貨は似ています。

市場の信頼性・実需の厚みなど、まだまだ課題の多い仮想通貨ですが、WBS(ワールドビジネスサテライト)のテロップにビットコイン価格が流れるようになるなど、市民権も獲得しつつあります。

ナスダックをはじめCBOEグローバルマーケッツ・シカゴカーマンタイルなど著名取引所が先物取引に名乗りを上げ、資金を受け入れる環境も整ってきました。

そうした環境変化を受け、多額の資金を運用する米アイビーリーグも、仮想通貨運用ファンドへの出資を加速しています。

最近ではイエール大学が、フレッド・エアサム(コインベース産みの親)らが立ち上げたファンド・パラダイムに出資しました。

マシュー・ゲーツ(ゴールドマン・サックスの元VP)やアリ・ポール(シカゴ大学の元運用主幹)が共同でブロックタワーキャピタルを立ち上げたりと、投資業界大物の進出も目立ってきています。

メディアへの露出も増えており、ハイパーチェインキャピタルがニューヨークタイムス・ロイター・フォーブスなどで取り上げられるなど知名度も上がりつつあります。

これは、出資のすそ野を広げるという意味で注目すべきトレンドです。

「仮想通貨市場が大きく伸びる日は近い」クリプト系ファンドはその日を見据えて、着々と先行投資を積み上げているのです。

一方で、個人投資家がこうしたトレンドについていくのは、容易なことではありません。

自ら仮想通貨で運用するなら、絶えずアンテナを高くしておかなくてはいけません。

もしそれが難しいなら、仮想通貨を扱うヘッジファンド、(資金的制約がある場合は)ファンドオブファンズに出資するのが賢い選択肢かもしれません。