投資信託を買おうとして、証券会社の窓口を訪れたことはありますか?
普段から投資信託を数多く扱い知識のある証券マンに、買い付けようと思っている投資信託について話を聞いて見ようとする行動は、正しい行動と言えます。
特に、初心者の方に取っては、相談できる担当者が付くことは心強いと感じるはずです。
しかしその証券マンが、いつもお客様に取って、有益な情報のみを提供するわけではありません。今回は、元証券マンの私から、どのようなことに注意して、販売会社の担当者とお話をするべきかについてお話します。
まず、買い付ける商品を決めずに相談にいくのは止めましょう。
証券会社の営業マンは、本部から重点的に販売するよう指示されている商品を常に持っています。何も知らない初心者投資家は、絶好のカモにされます。
もちろん、その商品の中には良い成績もありますが、自社で新しく作った投資信託を勧められた時は、特に注意が必要です。
新しく作られた投資信託は、まだ運用実績がありませんので、実際の運用成果が本当に良いものとなるのかはわかりません。
特に、人気の分野の後発として設定される投資信託も多くあり、既に投資対象として旬を越えたものを扱う場合もあるので、こういった商品を販売する時は、担当者は嘘をつく可能性が高いです。
次に、何をいくら買い付けようと思っているかを言ってはいけません。
服を選ぶ時を考えてみて下さい。
これを買おうと思っていると言って、店員が止めた方が良いと言ってくれることがあったでしょうか。
つまり、買い付けを希望されたお客様が来店された場合、その商品があまり良くないと内心で思っていたとしても、気持よく買ってもらうことを営業マンは考えます。
良い相談の仕方をお教えします。
もし、日本の株式に投資する投資信託を買おうと思って相談に行きたいとしたら、「日本の株式に投資する商品と、ブラジルの株式に投資する商品はどちらが良いと思いますか?」と具体的に比較対象を提示して、自分が興味のある投資対象について、本音ではどう思っているのかを説明してもらうようにしてください。
そのようにすることで、担当者はどちらが買い付けようと思っている商品かは分かりませんし、ちゃんと説明して、良いものを買い付けてもらおうと頑張ります。
比較対象は何でも良いですが、その時の投資対象としてメジャーなものが良いです。
その方が比較がし易い分、説明も分かり易くなることが期待できます。
最後に、いくら良いものを勧められたとしてもその場で買い付けを決めずに、一度自宅で考えることをお勧めします。担当者に簡単な客だと思わせないためです。
営業マンにはノルマがあります。
そのノルマを達成する一番簡単な方法は、人の話を鵜呑みにする客に自分が販売しなければならない玉を裁いてしまうことです。
その対象だと思われてしまうと、せっかく有意義な情報を届けてくれるはずの担当者が、売れ行きが悪く販売が難しい商品を売りさばく要因としてあなたを選んでしまいます。
逆に良い商品だけを買い付ける客だと認識すれば、新規資金導入のためにどんどん自信のある商品で勝負してきます。
その中には、パフォーマンスの良い商品が含まれていることは期待できます。
まとめると、販売会社には相談に行くだけで、最後に決めるのはいつも投資家であることを自覚した行動が求められるということです。
そのために担当者を活用する方向で考えなくてはいけません。
販売会社は、お客様の投資成果を高めたいとする考えと、会社の利益との狭間でいつも仕事をしているのだということは是非念頭において証券会社を尋ねましょう。