ヘッジファンドの3大戦略と8つの基本戦術とは?

ヘッジファンドってどんな戦略で投資に取り組んでいるのか気になりますよね。特にヘッジファンドに投資を考えていたり、ヘッジファンドの投資手法をまねしたいといった希望があればなおさら。

一見すると謎に包まれているヘッジファンドの投資戦略は、大きく分けると3つの基本戦略と8つの戦術しかありません。つまりこの3つの基本戦略と8つの戦術を理解すれば投資戦略の全体像をつかんだことになります。

この話を耳にするとヘッジファンドの戦略を理解するのはそんなに難しくないと感じないでしょうか?

簡単に理解できると思えればしめたものですし、仮に思えなくてもご安心を。

なぜなら今回のコンテンツではヘッジファンドの基本戦略と基本戦術を投資未経験者の方でも分かるようにまとめているからです。これから紹介する内容に目を通すだけで今のあなたが気になるヘッジファンドの投資戦略が熟練の投資家並みに詳しくなれます。

ヘッジファンドの3種類の基本戦略

冒頭でも紹介しましたようにヘッジファンドの基本戦略はたったの3つしかありません。つまり3種類の戦略を理解するだけでヘッジファンドの基本的な投資戦略をつかんだことになります。

それではその3種類のヘッジファンドの投資戦略というのは・・・・

  • アービットラージ型
  • ディレクショナル型
  • イベントドリブン型

です。この3つのヘッジファンドの基本戦略についてはこれから紹介していきます。

アービットラージ型

まず最初に紹介するヘッジファンドの基本戦略はアービットラージ型の投資戦略です。

このアービットラージ型の投資戦略というのはとてもシンプルに言うと株式投資やFXでよく行われる両建てです。つまり買いと売りの両方のポジションを取ることを意味します

具体的には割安な投資商品に買い注文を出し、割高の投資商品に売り注文を出すことで両方のポジションを立てるようにします。この両建てのメリットは買いと売りの両方にポジションを立てるために相場が上がろうが下がろうが利益が狙えることです。

ヘッジファンドが良く行うアービットラージ型の投資戦略は買いと売りの注文を同額出します。相場がマイナスに転んでプラスに転んでもよいポジションを取り、どちらかの決済をすれば利益が出るタイミングで両方のポジションを手放します。

この話を聞けばヘッジファンドのアービットラージ型の投資戦略の全体像が分かったのではないでしょうか?

実はヘッジファンドはアービットラージ型の投資戦略を色々取っており、有名なものとしてはこちらがあります。

  • 株式マーケットニュートラル
  • 債券アービットラージ
  • 転換社債アービットラージ

ここで取り上げたヘッジファンドの3種類のアービットラージ型の基本戦略については後程紹介します。

ディレクショナル型

次に紹介するのはヘッジファンドのディレクショナル型の投資戦略です。

このディレクショナル型の投資戦略というのは市場の動きを読んだ上で賭ける投資戦略です。先ほど紹介したアービットラージ型と違い、相場がどのように動くか読んだ上でポジションを取るのでややリスクがあります。

ヘッジファンドはこのディレクショナル型の投資戦略を取る際にはトップダウンアプローチとボトムアップアプローチという2つの手法を兼用します。

前者のトップダウンアプローチというのは経済指標をはじめとしたマクロ指標をベースに今後の世界経済の動きを予想します。その上で明らかに伸びそうな業界の株式や成長が見込める国家の国債に投資します。

一方で後者のボトムアップアプローチというのは経済指標とは関係なく個別企業の業績などを調べて今後伸びる銘柄を探すアプローチ。こちらのアプローチは宝探しのような感覚でヘッジファンドの社員が伸びしろのある銘柄をリサーチして投資します。

これまで見てきましたようにボトムアップアプローチとトップアプローチでは投資対象の探し方が異なりますが、根本の目的は変わりません。

その目的というのは繰り返しになりますが、確実に稼げる投資商品を見つけて集中的に投資することです。要するにヘッジファンドのディレクショナル型の投資戦略というのはデータをベースに投資商品や相場の動きを読んで投資する行為になります。

このような特徴があるヘッジファンドのディレクショナル型の投資戦略の中で有名なものとしてはこういったものがあります。

  • 株式ロングショート
  • グローバルマクロ
  • マネージドフューチャーズ
  • ショートバイアス

ここで取り上げた3種類の戦術の詳細については後程紹介します。

イベントドリブン型

3つ目に紹介するヘッジファンドの基本戦略はイベントドリブン型の戦略です。

このイベントドリブン型の投資戦略はその名の通り、イベントを利用して利益を上げる投資戦略です。この話を耳にすると「イベントって何?」という素朴な疑問が沸き上がると思います

とてもシンプルに言うと企業の不祥事、合併、新株発行といった株価が大きく動くタイミングのことです。こういった一大事においては企業の株式は相場とは明らかにかけ離れた値が付くので大きく稼ぐチャンスになります。

言葉は悪いですが、日本語で言う「火事場泥棒」のようなものと考えるのが良いと思います。つまり株価が大きく揺れ動いているタイミングをチャンスにとらえて会社のごたごたを利用して短期間で「サクッと」利益を稼ぐ手法です。

ヘッジファンドのイベントドリブン型の投資戦略の代表的なものとしてはこういったものがあります。

  • ディ・ストレスト証券投資戦略
  • リスク・アービトラージ戦略
  • アクティビスト戦略

ここで取り上げたヘッジファンドのイベントドリブン型の手法の詳細については後程紹介します。

3大戦略のまとめ

さてここまでヘッジファンドが良く利用する代表的な3種類の投資戦略について見てきました。改めて今回紹介したヘッジファンドの3種類の投資戦略について振り返ってみます。

戦略名 投資戦略の特徴
アービットラージ ベースは両建て

安全性が高い

ディレクショナル ベースは相場予想

期待損益が大きい

イベントドリブン 企業のごたごたを利用する

利幅が大きいが突発的

ここで取り上げた3種類のヘッジファンド投資戦略の中には主な投資手法があります。そこでここからはアービットラージ型、ディレクショナル型、イベントドリブン型という3種類のヘッジファンドの戦略における代表的な手法を見ていきます。

まずはヘッジファンドが最もよく利用するアービットラージ型の投資戦略の詳細からです。

アービットラージ型の主要戦術

ヘッジファンドが採用しているアービットラージ型の投資戦略の代表的な手法としてはこちらの3つが挙げられます。

  • 株式マーケットニュートラル
  • 債券アービットラージ
  • 転換社債アービットラージ

ここで取り上げた3種類の投資手法の概要についてこれから見ていこうと思います。

株式マーケットニュートラル

まず最初に紹介する株式マーケットニュートラルはアービットラージ型の投資戦略の代表格です。この投資戦術の特徴はまさに投資の世界でよく知られる両建て。

つまり狙った株式に買い(ロング)と売り(ショート)をかけ、利益が発生するタイミングで両方のポジションを手放します。買いと売りのポジションを立てるために基本的には大きな損失が出ない反面、大きな利益が発生することは少ないです。

ヘッジファンドが手掛ける投資戦略の中ではローリスク・ローリターン型の戦略と言えるでしょう。

債券アービットラージ

次に紹介するアービットラージ型の戦略は社債アービットラージと呼ばれるものです。

これは何かというと先ほど紹介した株式マーケットニュートラルの債券版です。つまり割安な債権に買い注文に買い注文(ロング)を出し、割高な債券に対して売り注文(ロング)を出すのです

要するに異なるタイプの債券で買いポジションと売りポジションの両方を立てるのです。

最終的にはどちらかのポジションで利益が発生するタイミングで保有した債権を全て手放します。この社債アービットラージと呼ばれるアービットラージ型の投資手法の持ち味は安全性が非常に高いことです。

なぜなら社債は債権である以上、発行元が倒産しない限りは元本保証があるからです。つまり大企業の社債に的を絞って債券アービットラージを行うことを基本戦略にしているヘッジファンドの安全性の高さは際立ちます。

転換社債アービットラージ

3つ目に紹介するアービットラージ型の戦略は転換社債アービットラージ。

これはどんな戦略かというと株式に変更することができる社債である転換社債に的を絞って買占めることを指します。具体的には株式の価値が下がり、株価と転換社債の価格が不自然に離れているときに転換社債を買占め、株式を空売りします。

これを行えば株価が上がった時には転換社債の価値の向上で利益を出すことができます。その一方でさらに株式が下がった場合は事前に空売りをしているので社債を株式に変換することで利益が得られます。

要するにどっちに転んでも基本的には利益が出る戦略なのです。

しかも転換社債は元本が保証されている社債である以上、 基本的に購入時の単価を大きく下回ることはありません。つまり損失リスクを最小限に抑えながら特定の企業の株が上がろうと下がろうとも利益が出る仕組みを整えられるのです。

ディレクショナル型の主要戦術

次にヘッジファンドの2つ目の投資戦略であるディレクショナル型の投資戦略について見ていこうと思います。このヘッジファンドが採用しているディレクショナル型の投資戦略の主な手法はこちらの通りです。

  • グローバルマクロ
  • 株式ロングショート
  • マネージドフューチャーズ

ここで取り上げたヘッジファンドのそれぞれの投資戦略の概要についてはこれから見ていきます。

株式ロングショート

最初に紹介するヘッジファンドのディレクショナル型戦略は株式ロングショートです。これはヘッジファンドが行うディレクショナル型の投資手法の中で最も代表的な手法です。そんな株式ロングショートの全体像はこちらの2つを同時に行うことになっています。

  • 割安な株式を見つけて買う
  • 割高な株式を見つけて空売りする

この2つを同時に行うことで投資する全ての銘柄で利益を狙う以上、かなりの高収益が狙えます。もちろん投資する株式は現時点での割安・割高度合いをベースにする以上、予測を外すと大きな損失を出す恐れがあるのも事実。

つまり株式ロングショートを頻繁に利用するヘッジファンドはかなり強気の運用を行うヘッジファンドになります。

グローバルマクロ

次に紹介するのは1990年代にヘッジファンドが主要な戦略に位置付けていたグローバルマクロ。

このグローバルマクロというのは経済指標などを見ながら割安な市場に買い注文を出し、割高な市場に売り注文を出す手法です。このグローバルマクロの投資対象になる市場は金融市場だけでなく、穀物やエネルギー関係の市場も含まれます。

買い注文の対象になる投資商品の一例としては経済成長率が高いにも関わらず割安な国の国債などがあります。逆に空売りの対象になるのは経済成長率が下がっているにも関わらず未だに格付け評価が高い国の国債などが挙げられます。

1990年代と比べるとこのグローバルマクロを中心にするヘッジファンドは減りましたが、今でも多くのヘッジファンドはこの投資手法を採用しています。グローバルマクロを理解せずしてヘッジファンドの投資戦略の理解は語れないのでこの機会に覚えておきたいですね。

マネージドフューチャーズ

3つ目に紹介するのは最近のヘッジファンド業界で最も重宝されている戦略の1つであるマネージドフューチャーズ。

このマネージドフューチャーズというのは特定の銘柄に頼らず幅広い投資商品に投資し、トータルで利益を出す手法です。つまり世界中の株・債券・穀物・エネルギーなどの投資商品の割安具合をチェックし、割安なものは買い、割高の物に空売りを出します。

これまで紹介してきた株式ロングショートとグローバルマクロと比較するとこちらの2点が大きく異なります。

  • システムトレードをベースにしている
  • レバレッジを頻繁に利用する

まず最初のシステムトレードというのは機械に売買を任せる取引方式です。実は基本的にヘッジファンドが採用するマネージドフューチャーズは投資商品の割安・割高は機械が判断します。

このようにヘッジファンドのマネージドフューチャーズは人の手がほとんど介さないために人為的なミスが基本的に起こり得ません。

さらにレバレッジという信用取引を頻繁に利用するために他のヘッジファンドの基本戦略よりも高い利回りが期待できます。もしあなたが利回りの高いヘッジファンドをお探しでしたらマネージドフューチャーズを基本戦略とするヘッジファンドを探すのが良いでしょう。

イベントドリブン型の主要な戦略

次に紹介するのはイベントドリブンという3つ目のヘッジファンドの基本戦略です。イベントドリブン型の戦略を活用するヘッジファンドが頻繁に使用する投資手法はこちらの2つです。

  • ディ・ストレスト証券投資戦略
  • スペシャル・シチュエーションズ

この2種類の投資スタンスの詳細についてはこれから見ていこうと思います。

ディ・ストレスト証券投資戦略

最初に紹介するヘッジファンドのイベントドリブン型の戦略はディ・ストレスト証券投資戦略。

これは何かというと経営状況が悪い企業の株式を集中的に買い、株価が上がった時に大量に手放して企業価値を上げる手法です。期待通りに株価が上がれば、株価の向上とともに株式を手放して大儲けします。

極端なケースですと潰れかけている企業の株式を買いあさり、筆頭株主になり大規模なリストラを執行するなんてこともあります。従業員の立場としては困りますが、株価という観点では大幅なコスト削減の影響でほぼ確実に上がるので莫大な利益が狙えます。

投資手法に対する好き嫌いはさておき、ディ・ストレスト証券投資をメインの戦略においているヘッジファンドは利回りが非常に高い傾向があるので注目に値します。

スペシャル・シチュエーションズ

2つ目のイベントドリブン型の代表的な手法はスペシャル・シチュエーションズという投資手法です。このスペシャル・シチュエーションズは経営陣の変更や国の公的資金を狙ってあえて倒産寸前の企業に投資をする手法です。

例えば発電所の事故による損害賠償で倒産寸前に追い込まれ、株価が大暴落した超大手の電力会社があるとします。こういった会社の場合、倒産すると国内のインフラがストップするのでほぼ確実に国からの公的資金が期待できます。

仮に狙い通り公的資金が決まれば短期的に株価が上がります。しかも倒産寸前に追い込まれた企業への支援が決まった場合、その企業の株価が一瞬だけ数倍~数十倍に上がることも考えられます。

このタイミングで事前に買い占めていた株を売却するのがヘッジファンドのスペシャル・シチュエーションズです。スペシャル・シチュエーションズを採用するヘッジファンドはリスクを取る分、大きな利回りを出すことが多いです。

ハイリスク・ハイリターン型のヘッジファンドをお探しでしたらスペシャル・シチュエーションズを採用しているヘッジファンドを利用するのが良いでしょう。

おすすめのヘッジファンドはどこなのか?

このコンテンツではここまでヘッジファンドの基本的な投資戦略について見てきました。ここまで紹介してきた戦略の話とはずれますが、このコンテンツの最後に今回紹介した投資戦略を有効に活用して高い成績を出しているヘッジファンドを2社紹介します。

今回紹介する2社のヘッジファンドというのはこちらの2社です。

  • M&S
  • BMキャピタル

特に前者のM&Sというヘッジファンドは世界で最高クラスの実績を誇るファンドマネージャーに率いられているヘッジファンド。最後にここだけの話になりますがヘッジファンドの実力は採用している戦略よりもファンドマネージャーの腕次第

その点M&Sのファンドマネージャーの過去4年間の平均利回りは50%を超えています。(平均的なファンドマネージャーは15%程度)

もしあなたが運用成績の良いヘッジファンドをお探しでしたらM&Sの利用を考えるとよいでしょう。ちなみにM&Sというヘッジファンドの詳細につきましては個別ページにてまとめております。

M&Sの個別ページはこちら

順位 ファンド名   過去3年
平均リターン
1位 M&S 58.87%
2位 BM キャピタル 15.23%
3位 アズカルアセットマネジメント --- %
4位 モントレー・キャピタル・マネジメント --- %